日本にもっと「やったことがないことをやりたがる人、あきらめない人、そして工夫する人」が増えればいい。
というピュアな想いをいだく北海道の町工場のおじさんの本を読みました。
以前にTEDの動画(以下)を見て、感動した経験があったので本屋で見つけて即買。
本書の半分くらいはTEDの動画と内容がかぶっていますが、逆にいうと残りの半分は動画では話してない内容でした。
シンプルにダイジェストすると「自分のあたまで考えて」ということになると思うのですが、私自身の実体験を踏まえて内容語りをするなんてもったいないくらいの良書ですので、特に気になったポイントだけご紹介(一部は正確に抜粋)します。
これ読んでみたい!と思ったら、即買していいレベルの本だと思いますよ。
奇跡は黙ってても起こらない
奇跡というのは「やめろやめろといわれても、やめなかった」からこそ生まれる。
自信はとっても大切
自信をなくしてしまった人ほど、自信をお金で買おうとする。流行を気にして自分の身を飾るようになる、自慢をするようになる、人を見下すようになる。他の人が頑張ったら困るからといって人の努力を邪魔するようになる。
本当の自信を身につけるには「やったことがないことをやる」しかない。
お金の魔力
ほとんどの日本人は、夢も趣味も「買うしかない」「してもらうしかない」「お金を払うしかない」と思い込まされている。だからお金がほしいのです。
でも本当は、夢とか趣味というものは、自分で考えて生み出すものです。それはお金では買えないものです。だからこそ、経験や、仲間の方が大切になります。
「どうせ無理」の罠
変えることができない「過去」を見て、「未来」をあきらめろと言われてしまうと努力しても無駄だという気持ちになります。
人は努力しても無駄だと思ってしまったらどうなるかというと、頑張る気力を失って「今できること」しかやらなくなるし、考えたくなくなります。
そして、そんな自分をなぐさめるために、守るために、とっても悲しいやらない言い訳をするようになります。
「自分には、どうせ無理だから」
これは努力しても無駄だと思わされた人がしてしまう、とっても悲しいやらない言い訳です。
私たちは、いつか、誰かからあきらめ方を教わっています。
その人はなんのためにあきらめ方を教えるのでしょうか?
それは「おとなしくて」「聞き分けが良くて」「都合のいい」人間をつくるためです。
とても恐ろしいことに、みなさんをショッカーの戦闘員に仕立てようとしている人たちがこの世にはたくさんいます。
それは1980年代、まだロボットが今のように発達していなかった頃、大きな企業がロボットのような人間を必要としていたからです。そのときに日本の受験はすっかりおかしくなり、「考える力」ではなく「素直さと真面目さ」を測るものになりました。
いまの日本にはびこる悪循環
日本では愛する家族のために、やっとこマイホームを建ててみたけれど、ローンがどんどん苦しくなっていくものだから、子どもと遊ぶ時間がないほど働かなければいけなくなって、気づいたら子どもが高校を卒業して家からいなくなって、大きな家には夫婦二人だけ残されて、やっとこローンを払い終わったと思ったら、もう家を建てなおさなければならない、なんていうことがたくさんあります。
日本の家の寿命はとてつもなく短いです。そうしなければ次の家が売れないからです。
次の物を売るために、わざと寿命を短くする
そういう悪い慣習を、日本人はみんなして「食っていくためには、しょうがないよね」と認め合ってしまいました。そしてみんなが無理やり物を売りつけるようになったから、人件費はどんどん高くなり、その結果、日本人が働けなくなりました。
これが日本人が生み出した、バカみたいな悪循環です。
あなたは何のために生まれてきたの?
ぼくたちはたった1回の人生をぶっつけ本番で生きています。
何のために生まれてきたのでしょうか?人のいうことを聞くために、あきらめるために、「おれの人生しょせんこんなもんか」と思わされるために、ショッカーにされるために生まれたのでしょうか?
違いますね。
ぼくたちは知恵と工夫で、世界を救うために生まれてきました。
世界を救うのは簡単です。
世界を構成する全ての人間が「自分なんて」と思わなくなればいい。「自分なんて」と思わないために、誰もが「できない理由」を探すことなく、「できる理由」だけを考えるようになればいい。
たったそれだけで世界は、あっという間に良くなります。
本書やTEDの動画を見ていただくとすぐにわかると思いますが、植松さんはとっても深い内容をとっても簡単な言葉で表現する方です。こんな方が教職についたり経営をすると世の中変わっていくのでしょうね。